ラックエンド
GMBのラックエンド
GMBのラックエンドは適度な摩擦トルクと回転運動を持っており、車両のスムーズな操作が可能です。また路面の不規則な変化に適度に反応し、車両の安定した走行性と安心の乗り心地をサポートします。
これらを実現する為にGMBでは耐摩擦性に優れた樹脂シート(POM:ACETAL)や、球継手の球との間には特殊合成グリースを使用して摩擦を最小限に抑えており、ダストカバー(防塵カバー)内には泥水浸透防止グリースを使用しラックエンドの長寿命化に取り組んでおります。
タイGMBでは開発時に必要な静的試験・破壊試験・耐久試験を実施し、製品の信頼性を確保しております。
特殊鋼における適切な熱処理及び徹底した受入検査、各製造プロセスにおける自主検査・巡回検査を平行し、徹底した品質管理で乗り心地と安全性を保障しております。
ラックエンドの機能
ラックエンドは操舵装置中のギア形式がラック&ピニオン方式を採用している車両に装着されています。ステアリングホイールからの操舵力を車輪に伝達し、路面変化による衝撃と振動を吸収して車両の操縦安定性を保つ為の装置です。車輪側には路面変化による車輪の上下振動と、ステアリングホイール操作時の車輪の回転に対応する様にボールジョントで構成させれています。
車輪側のタイロッドエンドアウターと連結されて、ラックバーからうけた操舵力をタイロッドエンドに伝達し、上下前後の変位に対応可能になるようにボールスタッドの揺動角が大きくなっています。
ラックエンドのボールスタッドの回転によりアライメント要素の1つであるトーインの調整が出来るようになっています。
ラックエンドの構造
ラックエンドは車輪側のタイロッドエンドとの連結及びトーイン調節の為にボールスタッドのねじとラックバーに連結するハウジング部にねじが有ります。
ハウジング内部はボールスタッドの摩擦防止の為、ボールシート内面に特殊合成グリースが塗布され、ボールスタッドが入り、ハウジングをカシメて組み付けられています。
油圧パワーステアリング式の場合にはシリンダー内部から発生した空気を排出する為の空気抜き穴があります。
ボールスタッドはトーイン調整時のスパナ掛けの為に六角棒になっています。
ハウジングのボールジョイント内部への泥水侵入防止の為に、ボールスタッドに溝を付けて、この溝にダストカバーを固定し、ボールジョイント部への泥水侵入を防止しています。