ステアリングジョイント
GMBのステアリングジョイント
自動車の「走る」「曲がる」「止まる」という基本機能の中で、「曲がる」を分担する重要保安部品がステアリングジョイント装置です。ステアリングジョイント装置は、自動車の性能向上と共に安全性・操作快適性を備えた、より高精度・高性能・高耐久性のものが要求されて来ました。更に昨今の電動パワーステアリングの普及に伴い、高強度も要求されております。そういった市場動向に対してGMBでは、緻密なスキマ管理によりガタを抑制することで高精度・高性能・高耐久性を実現し、冷間鍛造で成形されたスパイダーを採用することにより高強度を確保しております。
また、ステアリングジョイントの性能は「ハウジング(以下ヨーク)に大きく左右される」ので、GMBでは各自動車メーカーやお客様のヨークの仕様に合うよう、お客様と協議を重ね柔軟な対応をしております。それにより、ステアリングジョイントの最高の性能と最適なフィーリングをご提供しております。
ステアリングジョイントの機能
動力を伝達するインターミディエイトシャフトは、限られたスペースの中に設置されるため同一軸上に配置されることはあまりありません。しかし、ステアリングジョイントを使用することにより、限られたスペース内においても駆動軸と従動軸をフレキシブルに連結することができ、スムーズなトルク伝達が可能になります。
一般的には1本のシャフトでステアリングジョイントは2個1対で使用されます。組付けに際して、駆動軸と従動軸とを等速にするため、①同一作動角 ②同一平面内 ③同位相になるような配置にすることが重要です。
シャフト組付の基本事項~等速回転条件
- ①同一作動角:屈折角度A及びBは同一角度となるように配置する
- ②同一平面内:駆動軸、中間軸(推進軸)、従動軸は同一平面上に配置する
- ③同位相:駆動軸と従動軸のヨークは同方向で、同一直線上に設置する
ステアリングジョイントはヨーク形状・材質(剛性)・寸法によって組付け後の性能が変化します。GMBではこれらの相関を解析し、構成部品個々の精度を決定することにより、回転方向スキマ・ラジアルスキマ・アキシャルスキマを抑え、円滑な回転調子を得ることを重要ポイントとしております。
ステアリングジョイントの構造
GMBでは、軸の役割となるスパイダーは全て冷間鍛造仕様になっており小型でも十分な強度を確保しております。外輪の役割となるベアリングケースは、特殊合金鋼板を精密な絞り加工によって成形したシェル形ベアリングを採用し、ステアリングジョイントで主流となっている外径15mm、16mm、19mmを取り揃えております。
オイルシールは、ジョイント部が外気から遮断された空間で使用される「室内用」と、外気に触れ、粉塵や泥水が掛かるような空間で使用される「室外用」とでリップ形状を変えております。また、様々な使用環境に応じて高温仕様や寒冷地仕様などに最適な材質を選定しております。